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【人間ドック】~大腸がん検査・健診の内容は?~

コラム 2022/02/14

日本人のがん1位は「大腸がん」

現代の日本人が最も多く罹っているがんは「大腸がん」です。

国立がん研究センターがん情報サービス(https://ganjoho.jp/)の調べによると、女性の部位別がん死亡率の1位が「大腸がん」となり、男性でも「肺がん」「胃がん」に続き第3位となっています。
特に40代から50代では「大腸がん」の発症が最も多くなり、死亡率も男性女性ともに高い傾向にあります。
現代の医療で早期にがんを発見することが可能になったことや、現代人はきちんと健康診断を受けている人が多いにもかかわらず、大腸がんを患う人の数は年々増えています。

なぜ日本人に「大腸がん」が多いのか?

大腸がんは生活習慣に大きく影響を受ける病気です。

日本人は近年、食の欧米化により牛肉や豚肉などの脂肪分の高い赤身肉を食すようになりました。赤身肉は動物性脂肪が多く含まれることや赤肉に含まれるヘム鉄が活性酸素を生み出し、がんのリスクを高めると考えられています。ハムやソーセージなどの加工肉もこれらが多く含まれます
さらに飲酒により大腸がんになるリスクは引き上げられ、欧米人より体格が小さい日本人はアルコールの代謝に時間がかかり、飲酒の影響を強く受けます。

このように食の欧米化や飲酒、喫煙、ストレス等の日本人の生活習慣により、日本人は大腸がんになりやすいとされています。

大腸がんはどんな病気?

私たちが食べたものは口から胃を通り、小腸・大腸へと流れてゆきます。大腸は虫垂という部分からはじまり、盲腸→上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸→肛門につながっています。
大腸がんの多くはこの「S状結腸」と「直腸」にできるとされており、それぞれにできたがんを「S状結腸がん」、「直腸がん」と呼びます。

大腸がんの症状には、血便や下痢・便秘を繰り返す、お腹の張り、吐き気や嘔吐、体重減少が見られます。

しかし、これらの症状が出ている場合はすでにがんの状態が進んでいることが多く、進行がんとなっています。

大腸がんは早期発見で完治できる

大腸がんは早期に発見し適切な治療を行えば完治できる病です。
早期の大腸がんは症状がほとんどなく、症状が現れた時にはすでに進行がんに発展している場合があります。
大腸がんを早期に発見するためにも、毎年の大腸がん健診をうけることが大切です。

便血検査で陽性となった場合、必ずしも大腸がんというわけではありませんが、大腸にポリープが見つかった場合はがんに発展する可能性があるため、ポリープを切除することはがん予防のために大変重要と考えられます。

検査・健診の内容は?

大腸がんの検査では、「便潜血検査」や「大腸カメラ」などを行います。

大腸がんやポリープがあると、便が腸内を移動する際に便と組織が擦れて血液が付着するため、便に血が混じっていないかを調べることができます。
大腸カメラでは内視鏡を使い、出血をしていない早期のポリープやがんを見つけることができるため、病気の早期発見に繋がります。

筑波検診センターの人間ドックコースでは、消化器の専門病院として、日帰りの大腸検査を中心としたコースと、胃の検査を中心としたコースを用意しています。
さらに1泊コースでは、大腸と胃の両方を検査できるコースもあります。

①便潜血検査

便の中に血液が混じっていないかを調べる検査です。通常、便に血液は含まれませんが、ポリープや大腸粘膜からの出血がある場合、この便潜血検査で陽性となります。
目に見えない微量の血液をもこの検査では発見することができ、陽性となった場合、さらなる精密検査を行い、原因を特定します。

➁大腸CT検査

内視鏡を使わず、炭酸ガスでお腹を膨らませCTを撮ります。内視鏡のように検査中にポリープの切除をしたりはできませんが、診断の精度は内視鏡に匹敵すると言われます。大腸カメラの痛みが不安な方や、カメラが入らない方にはお勧めです。

③大腸バリウム検査

肛門から造影剤や空気を入れ、エックス線で撮影する方法です。昔から存在する検査方法ですが、精密度は内視鏡に比べ劣り、出血の有無も確認することはできません。

④大腸内視鏡検査

こちらの方法が最も検査の精度が高いため、便潜血検査で陽性となった場合には精密検査として内視鏡検査が実施される場合がほとんどです。
肛門から細長いカメラを盲腸に達するまで入れていき、内視鏡を徐々に抜きながら腸内を隅々まで観察していきます。ポリープや癌を疑うような病変があった場合、検査と同時にポリープの切除を行うこともでき、必要に応じて病変の組織を一部採取することも可能です。

筑波健診センターは食道、胃、十二指腸、大腸などの消化器を専門とする筑波胃腸病院の健診センターです。早い段階での消化器系の癌の発見に特に力を入れています。

当健診センターでは大腸内視鏡検査は対応しておりません。大腸内視鏡検査ではポリープがあった場合その場で切除が可能で入院(保険診療)が必要となります。そのため大腸内視鏡検査を希望の方は筑波胃腸病院の外来を受診してください。

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